昨日の福島県内は、暖かで驚くほど雲一つ無い快晴のお天気でした。福島デスクはこの快晴の中「カトリック会津若松教会」に向かいました。
快晴の暖かな天気と言っても会津若松市内は、中通りとは桁違いの雪の多さ!いたるところが雪の壁でした。
目 的 : 「県内自主避難者連絡会(旧 家賃補助連絡会)」の方々の現状報告
場 所 : カトリック会津若松教会
報告者 : 福島市と郡山市からの自主避難者3名の方
参加者 :
・仙台教区事務局長 :小松師
・カトリック会津若松教会主任司祭 :板垣師
・CTVC(カトリック東京ボランティアセンター) :漆原、辻
・カトリック会津若松教会の信徒 :品川夫妻、市川、庄司、山本
・福島デスク :柳沼、増戸
《報告内容》
【家賃問題】
まず、この連絡会は、避難区域には指定されていないながらも、自分の町は子どもが暮らすには線量が高いと判断して、線量の低い会津若松市に自主避難し、最初は皆バラバラでしたが、ここで知り合った同士で連絡を取り合い、次第に口コミで仲間も増え、会を結成するようになった集まりです。
この会の目的は、自主避難家族も国や自治体等から家賃補助を受けられるようにすることです。
残してきた家(両親や夫が住んでいる)との2重生活を送らざるを得ないことから、生活費や家賃等が2重にかかってきますが、自主避難ゆえに、援助や補助の対象には入っていませんでした。
申請の結果、現在、会員44世帯のうち、20世帯に家賃補助が降り、生活がだいぶ楽になりました。残りの世帯に降りない理由は、「補助金は家賃6万円以下の賃貸住宅に住んでいることが条件」ですが、その条件を満たしていないためです。つまり、残りの世帯は6万円以上の住宅に住んでいる訳ですが、その理由は、6万以下の住宅は「借上げ住宅」としてすでに押さえられていて、もはや6万円以上の物件しか空いてなかったためなのです。不本意ながら6万円以上の住宅を選ばざるを得なかったのです。
6万円以上の物件であっても、6万円に対して補助を出してくれたらいいのに、そうした融通はなく、6万円以上の住宅に住んでいる方には1円も降りませんす。理不尽な話です。
【その他の経費の問題】
会津若松市内の公立の小学校に通わせるためには、住民票が会津若松市になければなりません。しかし、様々な理由から住民票を移すことができないので、公立には通わせることができず、私立のザベリオ学園に通わせています。私立なので諸経費が高くつきます。(なお、喜多方市や米沢市は住民票が他にあっても公立に入学できるそうです。)
元々の自宅に残っている祖父母らの面倒を見るために帰省する際のガソリン代、高速代などがバカになりません。
2重、3重生活(両親、単身赴任の夫、自主避難している妻と子)なので、生活費が大変です。
【精神的な問題】
地元の自宅に帰ると、近隣の方々から、「あなたは自分だけ逃げたのね」という目で見られて、居心地が悪い思いをします。
家族の中でも見解が分かれます。夫は自主避難に反対でした。でも生まれたばかりの乳飲み子だから、安全なところで生活したいと夫の反対を押し切り自主避難してきました。夫は今では諦めていますが、上の子どもが会津での学校生活に慣れるにつれて、転校もしにくい状況になってきたためです。
たまに実家に帰っても肩身は狭いのです。身内といえども生活費は出しますし、長居は禁物という雰囲気があります。
【子どもの健康の問題】
甲状腺の検査をしてほしいのに、どこの病院に行ってもしてもらえません。
【心の分断】
・警戒区域の内と外の人の間で、諸々の待遇が違うことから分断。
・補助金が降りた家と降りない家、たくさん降りた家と少ししか降りない家の間の分断。
・家族内でも放射能に対する見解の相違からくる分断。
・福島野菜を食べるか食べないか...知り合いの農家から毎年お米やリンゴを買っていたので、原発事故後も買わざるを得ないが、食べたくはない。食べないのに買わざるを得ないジレンマ。
以上の報告で会合は終了しました。そして、最後にCTVCに寄付された『お米券』が自主避難者の方に手渡されました。「他の避難者に配布致します、ありがとうございます。」と大変喜んでおられました。
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