2013年9月25日水曜日

第8回福島ブロック会議(於いわき教会)

9月25日、第8回福島ブロック会議が福島県いわき教会で行われました。

≪参加者≫43名
司教様:平賀徹夫司教様、幸田和生司教様
教  会:会津若松・いわき・郡山・白河・須賀川・二本松・野田町・原町・松木町
県内の活動拠点:カリタス原町ベース・さいたま教区サポートセンター「もみの木」・福島デスク
県外の支援団体:仙台司教協議会・カリタスジャパン・CTVC・きらきら星ネット・聖公会3.11ボランティアチーム

参加者は回を重ねる毎にどんどん増えています。福島が復興できるその日まで、皆、頑張っております。

≪今回のプログラム≫

第1部 仙台司教区長・平賀司教様のお話「大震災における司教の苦悩」

第2部 ①いわき教会の活動報告と質疑応答
       発表者 いわき教会信徒 佐々木三代子様、他
     ②もみの木の活動報告と質疑応答
       発表者 もみの木 グエン・ゴンホアン神父様・高橋ゆり様

第3部 2014年3.11に向けての企画

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第1部 仙台司教区長・平賀司教様のお話「大震災における司教の苦悩」

(平賀司教様は2011年3月11日からの司教様ご自身の行動の振り返り、また、各活動拠点の誕生の経緯を中心にお話しなさいました。)
<要約>
 ➢3月16日菊地司教・谷司教・成井神父・稲田さん・カトリック新聞社有村さんが司教館に来て状況を教えてくれた。またボランティアの受け入れ態勢をきちんとしておかねばならないので仙台教区サポートセンターを立ち上げることになった。
 ALL-JAPANでも被災地を助けようという声が上がった。札幌教区は宮古、長崎教会管区は大槌、仙台教区サポートセンターのベースとして米川・石巻・釜石(なお、名古屋教区のAJUという社会福祉法人のグループが釜石に入り、障碍者支援を行っていたことが後に判明)。大阪教会管区は大船渡、さいたま教区がいわきの「もみの木」、CTVCが原町ベース(信徒が持っていて建物を使った)、二本松教会に福島デスクをたちあげた。仙台教区のほか全国の皆さんに支えられている。仙台教区サポートセンターの目標としては「寄り添うこと」を掲げている。
本当なら私自身が各活動拠点を回りたいところだが、それができないので、毎日のミサの中で皆 様のために祈りを捧げている。そのため、ミサが長くなる... 全教会で仮設への支援活動をしてくだ さる方々がたくさんおられる。仙台教区のために働く皆様に篤く御礼申し上げる。一人で活動して いるのではなく教区のみんながつながっているということ、教区としての働きにいそしんでいるという ことを想っていただきたい。これからもよろしくお願いいたします。


第2部 ①いわき教会の活動報告と質疑応答
      発表者 いわき教会信徒 佐々木三代子様、他
     
 平・堂根サロンは、2011年1月より毎月第2,4金曜日に津波被災者への支援を中心に行っている。自分が家でいただくよりもおいしいお茶とおいしいお菓子を様々な器で準備して、くつ ろいでいただくことを目的としている。
  個人情報保護の観点から自治会長が誰かなどの情報が入手できず、支援に入るまで時間がかかった。住民の皆様の間に交流がなかった。連帯感がなく自治会費を納めない方もいらっしゃった。自治会長さんには直接アタックした。「私たちはカトリック信者ですが支援させていただきたい」と身分を明らかにして入った。やる気があるということを示す。
 富岡からの避難者、借り上げ住宅の方もサロンに来るようになった。津波被災者と原発被災者の間には精神的な溝を感じるが、最近は仲良く一つのサロンとしてやっていけるようになった。
自立支援のため、なるべくどのようなことがお得意か聞いて回るようにした。現在は加工食品を生産、他教区の教会でも販売してもらうようにした。資金準備はいわき教会が行い、自立支援で作っ   ている佃煮は2個1パックで500円で販売中。各教会で200~300個まとめて注文をいただいている。
 サロンの手伝いを仮設住宅のメンバーがしてくださるようになった。
 男性の参加者が少ない。4~5人いらっしゃればよい方。
 年金生活者は生活に困窮している。署名活動をして行政に働きかけて家賃を半額にしてもらっ た。安いアパートは借り上げ住宅用におさえてあるので、家賃の高い住宅しか残っていないという 現状がある。


②もみの木の活動報告と質疑応答
 発表者 もみの木 グエン・ゴンホアン神父様・高橋ゆり様


 さいたま教区から植えられた「もみの木」。原発被災者の支援を中心に行っている。いわき教会・傾聴ボランティア「みみ」・聖公会・プロテスタント諸教会など様々な支援が入っている。
 ➢2011年5月までは支援物資目当てにコーヒーを飲みに来ていた。支援されていると物をもらうことが当たり前になっていく様子が見られた。
 近隣に1200戸の仮設があり、もみの木から外へ出ていく必要があると感じた。現在、月から木まで出張カフェを行っている。参加人数は減ってきている。
 「母体はカトリックだ」と明言して入った。「支 援団体がどこも来ていないからぜひ入ってください」と言われた。宣教はしないがカトリックであるこ とを理解してくれているのでやりやすかった。
 さいたま教区各県からも支援に来ている。
  手仕事がしたいという声が婦人会から上がり、エコたわしを作ることに。寄り添い、ニーズにこたえることを旨としている。「カフェに来てうれしい。でも夜になると切ない。何かやっていないと切ない。これを誰かにあげたいと思って作っていることが励み」という声も。
自立支援(=積極的に生きる生き方を支える)の一環として、仮設の方たちに教えるための指導者養成としてスモッキング刺繍をはじめた。作品を自分たちも見えるところに展示したいということで展示するためのショーケースを立川教会(東京)から寄付していただいた。
 
借り上げ住宅の方たちは仮設の集会所や公民館を使うことに抵抗を感じている。月一回「もみの 木」を借り上げ住宅の方たちに開放している。他地域の方たちも顔を見せるようになった。
後は、出張カフェに加え時々バザーなどのイベントも「もみの木」がリーダーシップをとる形で取り入れていきたい。また、出張カフェは子供たちが学校に行っている間に行なわれるので子供たちに対するストレス解消支援についても考えていきたい。将棋・囲碁・針金細工などの手作業を今後も行い、男性の呼び込みを考えていきたい。
 自己中心的・自己満足の支援ではボランティアがどんどん減っていくだろう。私たち自身が教区も教派を超えてキリスト者として寄り添い、協力し合わないと「寄り添う」ことを伝えていけないと思う。
 よそ者という見方をしている人もいるかもしれないが私たちは派遣された。震災後3年目になるが被災地から遠くにいる人は忘れかけている。日本へ、世界へ、もっと発信していかないといけない。寄り添って歩むことが信仰の証となるだろう。

〔質疑応答・感想等〕
 Q:会津からの手作業参加者についての質問。自主避難者は子育てで手作業に参加する余裕が
ない人が多いが、手作業参加者の年齢層はどのくらいか?
A:手作業参加者の年齢層は中高年で以前から趣味でしていた人が多い。若いお母さんはコーヒ ーを飲みに来ておしゃべりをするのでせいいっぱいの様子だ。中高生の子どもを持つ親たちを対象に現金収入につながるように自立支援をはじめた。自立支援は経済だけの問題ではないと思う。
 
福島では自立したいけれど原発・風評の中で生活しているので自立できないという現状が読み取れる。自立というよりも少しでも前向きになれるように支援していきたい。
松木町より「高齢者はお金を稼ぐことは無理だが長生きの秘訣は前向きに生きることと言える人は自立ができている人たちだと思う」という発言あり。
 
何でもボランティアがやってあげてしまいがちだが、被災者からは「『ありがとう』と言うことにつかれてしまった」という声も聞かれる。助けてもらうだけではなく自分も役に立っていると感じることで人としての誇りを取り戻せるような気がする。

第3部 2014年3.11に向けての企画



福島ブロックでは、3年の節目として来年3.11に向けて、今までの各活動拠点の支援活動の報告を冊子にまとめることになりました。

皆様のお手元に復興支援の一記録としてお届けすることが出来ますよう、尽力いたします。









会場準備をしてくださったいわき教会の皆様ありがとうございました。
いつもの平・堂根サロンを彷彿とさせるような心づくしのおもてなしで、発表内容にもあった常日頃行われている活動の様子がありありと伝わってきました。
テーブルには季節のお花に、色とりどりのおしゃれなコーヒーカップ、薫り高いお茶にコーヒー、懐紙にのせられたお菓子…
心癒されるひと時でした。
活動の紹介の一環としてご準備いただきありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。

≪ 次回予告≫

第9回福島ブロック会議:2013年12月16日(月)午後1時 野田町教会 を予定しています。
教会内の駐車場も使用可能となりました。皆さんふるってご参加くださいますようよろしくお願い致します。
(準備の都合上、参加をご希望される方は二本松教会内の福島デスク ℡0243-23-3037 までご連絡ください。)

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